レバノンの言語学者・評論家であったアントン・サルハーニー神父(Antone Salhani:1847~1941)が1889年に編纂した「Alf Laila Wa Laila(千夜一夜物語)」(アラビア語)で一般に「ベイルート版」と言われている本です。\r第1巻の序文に拠ればカルカッタ版(第二版と思われる)とブーラーク版をベースにし、家庭や学校で読むのに相応しくない表現、言葉等を健全なものに換えて家庭で子供たちに読み聞かせることが出来る本にするのがサルハーニー神父の編纂の目的でした。\rカルカッタ版等をベースにしているので内容は東洋文庫の前嶋信次・池田修訳「アラビアンナイト」と略同じです。\r\r本文の頁の画像(画像9~11)を見て頂ければ分かるように、各頁上部の装飾枠に説話の題名が記載され、中程の装飾に第何夜を記載、下部の装飾に頁数を記載し目にも優しい体裁になっています。しかも、これらの装飾は8パターン程あり大変手間をかけた作りになっています。尚、表紙の絵は「アリババと40人の盗賊」の挿絵のように思えます、一目で「千夜一夜物語」と認識できるのですが、アラディンと同様後から創作されたアリババの話は含まれていません。\r\r出品の本は1956年11月~1958年2月にかけてベイルートのカソリック印刷所で印刷された第4刷で、1975年にベイルートで購入したものです。\r\r経年によるヤケ、表紙の破れが散見され一部テープで補強しているものもあります(画像6、7)。各巻とも中表紙に印鑑(画像8)を押していますので発送する前に消印します。\rアンカット本のため小口は不揃い(画像3~5)になっています。\r画像9~11を見て頂ければ分かるように本文の傷みは殆ど余りありません。但し第7巻の85-86頁は下の余白部分が千切れています(画像12、13)。\r本のサイズ(概数)は、縦25.4㎝、横18.3㎝、厚さ1.5㎝です。第1巻は270頁、第2巻~第7巻は255頁です。